交通事故④

この時初めて事故の詳細を聞いた。

救急隊員「Aちゃんは自転車で青信号を渡るときに右から来た信号無視の車に撥ね飛ばされ、30m近く飛ばされています。電線の高さまで飛ばされていたという目撃証言もあります。今は意識を取り戻していますが、詳しく検査をしないとわかりません。なのでドクターヘリで○○病院まで搬送する予定です。搬送先が決まるまでお待ちください」

私「Aは大丈夫なんですか?急に何か起こるかもしれないのですか?」

救急隊員「今はまだわかりません」

友人ママとの電話を切らずに救急隊員と話していたので、友人ママにも会話が聞こえたらしく、電話の向こうで「ドクターヘリって何なの!!」と叫んでいた。

私「友人ママ…Aが今からドクターヘリで搬送されるって…Aに何かあったらどうしよう…怖い…怖い…怖い…」

友人ママ「ママしっかりして!私も搬送先が分かり次第すぐ病院行くから。今してほしい事ある?手伝えることある?」

私「私、救急車に飛び乗ったから、現場の状況が分からないの。荷物とか散らばってるといけないから、回収して病院に持ってきてもらえる?」

友人ママ「分かった。Aちゃんはきっと大丈夫だよ。ママしっかりしてね」

救急隊員「この場所はヘリが着陸できないので、今から着陸できるところまで、救急車で移動します。搬送先は○○病院です。ですが○○病院のヘリポートは2週間後に完成なので、○○病院の近くの公園に着陸し、そこからまた救急車で移動します」

このやり取りの間もAちゃんは何度も何度も名前と生年月日を確認されていた。

救急隊員「Aちゃん今一番痛い所どこかな?」

Aちゃん「腰が痛い」

私「痛いね…可哀そうに…頑張ろうね。病院でちゃんと調べてもらおう」

その時私はすごく腰を痛がっているAちゃんを見て、背骨に何があったらどうしよう。と脳に続き脊髄の心配でもういっぱいいっぱいだった。