交通事故⑪
Aちゃんの手術が終わるまでの間、色んな所に電話をした。
まずは私の会社の上司。
私「上司さん、Aが交通事故に遭った。信号無視の車に撥ねられて、30m飛んだらしい。ドクターヘリで搬送されて、検査も終わって、とりあえず命には別状ないって先生には言われた。だけどしばらくは会社をお休みさせてほしい」
上司「大丈夫なの?会社なんてどうでもいい。Aちゃんに付いててあげて。私も今から病院に行く。病院はどこ?」
私「ありがとうございます。でももう命に別状はない事が分かったので大丈夫です。それに上司さんの所から病院はすごく遠いので…」
上司「何言ってんの!!あなたの事が心配だから…ご両親は一緒?一人じゃない?」
私「両親も一緒です。大丈夫です。現場に着いた時はパニックになって大変でしたが、もう落ち着きました。」
上司「そう…でも無理はしないで!一人で悩まないで、何でも相談してね。会社には来られるときに来てくれればいいから」
本当に頼りになる上司で、大好きな上司。いつも私とAの味方で何度助けられたか…
そして次に塾。
小5から入塾し、塾長からは色々気にかけてもらっていた。
私「先生…Aが交通事故に遭い、ドクターヘリで搬送されました。首の骨折とかかとを開放骨折しています。なのでしばらく塾はお休みさせてください」
塾長「えぇぇぇ!!!Aは?Aは大丈夫なのですか?そんな大きな事故で命が助かっただけでも良かった。塾の事は気にしないでください。退院後全力でサポートします」
後日、塾の子がお見舞いに来てくれた時に聞いた話によると、この日の塾長は同じ所をウロウロし、すごくおかしかったと。
Aと同じ学校の子や仲のいい子を面談室に一人ひとり呼び出し
塾長「Aの事でなにか情報を持っているか?」
と聞きまわったらしい。
「何も知りません」と答えると、何も知らされず教室に戻されたと。
みんなはまだAが交通事故に遭ったことも知らなかったし、Aが塾に来てい無い事を疑問に感じていた。
そんな中、友人Cが同じ塾で、唯一Aの状況を知っている子なので、塾長は友人Cと面談室で長らく話をし、出てくると塾長も友人Cも泣いていて、それを見た他の子たちは益々「Aちゃんに何かあったんだ」とSNSで情報を集めた。
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