交通事故⑲ - nana　　　　　　　　　　交通事故　被害者　ブログ

入院３日目。

警察から電話があったので「加害者家族に私の電話番号を伝えてください」とお願いした。

するとすぐに電話がかかってきた。

加害者父「この度は息子がとんでもないご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。早速Aちゃんのお見舞いに伺いたいのですが、いつがご都合よろしいでしょうか？私どもは何曜日でも何時でも構いません」

私「それでは明日１３時にお越しください」

そう言って電話を切った。

私「Aちゃん、明日１３時に加害者の親御さんが来るから」

Aちゃん「分かった。でも加害者はまだ拘置所から出てないでしょ？親御さんは何もしてないのに、親御さんだけで来るの？」

そっか…そうだよね…罪が加害者＝加害者の両親って事はない。

私は加害者に関係する人はみんな同じ罪だと勘違いをしていたことに気付かされた。

加害者は３０歳くらいの男性。立派な成人だ。

未成年でもないのに親御さんには何の罪もない。

そうしている間に親御さんが到着した。

加害者父「Aちゃん本当にごめんね。痛かったね。女の子なのに顔も怪我させちゃって本当にごめんね」とベッドの足元で泣いて頭を下げた。

Aちゃんの顔を見せた後、親御さんと私だけで談話室へ移動した。

加害者父はずっと泣いて頭を下げ、隣にいる加害者母は背中をさすっていた。

私「わざわざありがとうございました。Aの状況ですが、首を骨折し、左足かかとを開放骨折しています。とりあえずこの病院は救急病院なので２週間程度しか入院はできないでしょう。その後転院をすることになると思います」

加害者父「本当に大事な娘さんにこんな大きな怪我をさせてしまい、申し訳ありませんでした」

私「ご両親が謝る必要はありません。私はご両親を責めるつもりもありません。成人した立派な大人が起こした事故です。息子さんにしっかり謝ってもらうつもりです」

加害者父「もちろんです。息子は今まだ拘留中なので釈放され次第、すぐにお見舞いに来させていただきます」

加害者母「昨日拘置所へ行ったのですが、私たちも会えていなくて、警察の人に話を聞くと、だいぶ落ち込んでいるようです」

？？？？？？

落ち込んでいて当たり前！！！！！

ニュースにもなったのでそれを見たのだろう。

加害者母「酷い事故だったのに、Aちゃんの自転車が綺麗なままでねぇ？」

私「それ私の自転車です。Aの自転車はぐちゃぐちゃになり、警察に押収されています」

加害者母「そうなんですか…」

何かイラっとした。

息子を庇いたいのか、加害者父は息子のしたことをちゃんと理解し謝罪しに来ているのだろうけど、加害者母は息子の事ばかり話す。

加害者の事など私からしたらどうでもいい。

吐くまで泣けばいい。眠れないほど後悔すればいい。

何度も何度も事故の光景を思い出し、飛び起きればいい。

そう思っている私に向かって、庇うような事ばかりでうんざりした。

ご両親が帰った後、相手保険会社からも電話があり続けて会うことになった。

保険会社の担当は淡々と業務をこなし、私もいろいろな書類にサインをした。

保険担当者「お母様は保険関係でお勤めですか？」

私「いえ。違いますが…」

保険担当者「被害者の方は相手保険会社も加害者のような感覚をお持ちの方が多く、きつく言われることも多い中、お母様は淡々と業務を遂行されているので、同じ業界なのかと思いました」

私「私もたぶん昨日会っていたらそうだったと思います。加害者の関係者はみんな同罪と思っていました。でも娘に気付かされたんです。罪を犯したのは加害者だけだと」

保険担当者「そうなんですね。良くできた娘さんですね」

私「ありがとうございます」

保険担当者「では今回の事故は、車が信号無視で横断歩道に入り、自転車のAちゃんに大変な怪我を負わせてしまったと言うことで、Aちゃんには何の過失も無く「A：加害者＝0：100」です。病院での費用はご負担いただくことはなく、病院から保険会社に請求してもらいます。そこで健康保険を使わせていただきたいのですが、ご了承いただけますか？」

私「Aは小5～高校受験に向けて塾に通っており、近々学年末テストがあります。もちろん病院の先生の判断にもよりますが、各教科の先生が日替わりで勉強を見てくれると言ってくれていますので、個室に入れたいのですが…」

保険担当者「健康保険を使わせていただければ、個室へ入れるように上には交渉しやすいので大丈夫だと思います」

なので健康保険を使うことにした。

良く悩まれる方がいるが、私は使って良かったと思う。

保険会社も３割負担で済む代わりに、個室などには入れてくれる。

支払える枠があるのだから、医療費を少なくすれば、他を多くできる。

参考になれば幸いです。