交通事故⑰
Aちゃんは痛みに強いのか「痛い」と言わない。
私「今日は痛みどう?」
Aちゃん「想像より痛くない」
Aちゃんは毎食後痛み止めを飲んでいたからか、痛がらなかった。
「痛い痛い」と言われるのも可哀そうで堪らなくなるが、泣き言一つ言われないのも「我慢しているんじゃないか」と心配になる。
お昼を過ぎたころ友人Eママからラインが来た。
友人Eママ「もうすぐ着くんだけど大丈夫かな?」
私「大丈夫だよ」
Aちゃんにそのことを伝えるとすごく嬉しそうだった。
友人Eと友人Fとそのママ達が来てくれた。
友人EはAちゃんの姿を見て泣いた。
交通事故に遭った知人を見る事なんてそうそうない。
想像を超えたAちゃんの姿に声もかけることもできず、泣き崩れた。
Aちゃん「もうE~何ないてるのよ!泣きたいのはこっちよ」
とふざけて言っていた。
事故の夜からラインができたので、みんなこんなにも酷い姿になっているなんて想像もしていなかったのだろう。
そのあと、友人Cが一人でやってきた。
私「Cちゃんどうやってきたの?一人で来たの??」
友人C「Aちゃんの事が心配で、会いたくて…電車で来た」
家から病院まで電車で1時間はかかる。
乗継もしないといけないし、ましてや病院の最寄駅からは徒歩15分ほどかかり、道もややこしい。
そんな中、友人CはAちゃんに会うために自分で調べて来てくれた。
昨日、Aが事故に遭った瞬間から友人Bと一緒に居て、現場の血だまりも見て、一旦家に帰らされたが、パパに無理を言って病院まで来てくれたのに、Aが手術に入ったところでAに会えず帰らせてしまった。
こんなまだ14歳の子供一人で抱えきれない心配をさせてしまったことを後悔した。
他にも友人Bと友人Bパパもお見舞いに来てくれて、病室は満員になった。
しばらく子供たちだけで話をさせてあげようと、親たちはドトールに移動して、事故の経緯などを話した。
中学校では臨時の全校集会が行われ、Aちゃんの名前は伏せられたが、十分気を付けるように注意をされたらしい。
Aちゃんのクラスでは担任から「Aが事故に遭った」と報告され、いつもはすごく騒がしいクラスなのに、どんより暗かったらしい。
夕方みんなが帰る事になり病室を後にすると、Aちゃんはすごく寂しそうだった。
夕食が運ばれて来たころ、担任がやってきた。
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